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【鉄をも溶かす炎の樹】
更新日時:2009年2月19日 21:40
【鉄をも溶かす炎の樹】
 
島根県と広島県とを隔てる中国山地の山間部に近いこの地方では、昔はたたらを用いた製鉄が盛んに行われてお
り、日本国内でも1,2を争う鉄の生産地として知られていました。たたら製鉄とは、世界各地でみられた初期の製鉄
法で、製鉄時に必要な空気をおくりこむための送風装置の鞴(ふいご)のことを「たたら(踏鞴)」と呼ばれていたため
つけられた製鉄方法です。
かつて、このたたら製鉄に従事した「たたら師」たちが形成した集落跡地を称して「山内(さんない)」と呼んでおり、その
山内の中には高殿と呼ばれる鉄の生産施設が残されています。
島根県雲南市の菅谷たたら山内の中心にある菅谷高殿(すがやたかどの)は、古来より鉄の生産地として栄えたこの
地方の数あるたたら高殿の中では中心をなし、18世紀半ばから戦前までの約 170年間にわたって操業が続けられ、
最盛期の文政年間(1818~1829年)には年間 200トンもの生産を誇っていました。
現存するものとしては日本全国で唯一の高殿様式であり、1967年には国の重要民俗文化財に指定されています。
 この高殿の正面にそびえるカツラの巨木は、樹齢200年とも言われ、芽吹きの時期(4月上旬ごろ、約3日間程度)
には枝が真っ赤に染まり、たたらによって激しく燃え上がり鉄を溶かし続けた「炎」が目の前に甦っているかのように、
見るものを古の世界へといざないます。
菅谷たたら山内のかつらは例年4月5日ごろ赤く染め上がります。